字遊帖

今まで書き溜めてきたものや、日々の暮らしなど、自由に綴るブログ。シンプルな暮らしを目指して。

「飛べない翼」

#49「飛べない翼」2006/07/08

鳩が一羽止まっていた 広場の真ん中 死刑台の上
子供は石を投げつける 大人は軽蔑の眼差しで過ぎてゆく
人々は口を揃えて言った「鳩が平和の象徴なんて嘘だ」と
それでも鳩はその場所が好きだった 陽の当たる温かい場所だった

今日もまた行われる儀式 主役はおじいさん
見覚えがあった そうだ 僕を唯一かばってくれた
こんな場所にいるのは僕をかばったせいだ
ごめんなさい ありがとう… 言うべき言葉が見つからない
その瞬間(とき)辺りを疾風が駆け抜けた また1人大切な人を失った

「おかあさん鳩が鳴いているよ」無邪気な子供が言った
その子の手を引き母親は足早に去ってゆく
Ah 鳩が歌うは哀歌(エレジー) 大切な人に捧げるための

町はずれの山から焔が上がる
「さっきそこから鳩が飛び立った」
根拠のない噂が飛び交う
鳩は遂に捕えられた

右の翼は僕の自慢 内側が黒なんだ
それを見た町の人が言った「悪魔の生まれ変わりだ!血祭りにあげてやる」
このままじゃいけない 行く先は奈落の底
どうせ死ぬのならいつもの場所がいい
力の限り飛んだ 羽が疲れてもなお飛び続けた
あそこに見える十字架 あれが僕の守るべき場所 大切な場所

辿り着いたその先に 残っていた1人の警官
「俺は英雄(ヒーロー)になるんだ 冥土の土産にくれてやる」
平和の象徴 鳩めがけて銃を放った

la la la~ la la la~ la la~
Ah 鳩が歌うは哀歌(エレジー) 大切な場所を守れなかった
撃たれた右翼が痛んだ 羽は次々抜け落ちてゆく

晩鐘が鳴る頃 鳩は相手なしに語る それが鳩のモノローグ
鳩が歌うは哀歌(エレジー) もう飛べない翼抱えて

 

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最近でこそストーリー性のある詞を書くようになったけれど、

この作品は昔にしてはできている方。

この作品は今の自分が見ても結構好きだったりする。